「実存主義について」サルトル

サルトルを続けて読む。単行本であるため電車の中で本を開くには、少々難儀するが文庫本など出ていないためしょうがない。この本の前に読んだ「言葉」は時間がかかったが、「実存主義について」はそんなに時間はかからなかった。

内容については、サルトルが行った講義や討論の内容をまとめたものが主。一般大衆にわかりやすい表現を使っているので、私みたいな者でも読みやすくなっている。
この本を読んで、再度人の生きる意味について考えてみるきっかけとなった。

人生の目標だとか、自分の存在理由だとか。
自分自身に対する意味づけを探すことは耳障りが良いけれども、サルトルの思想からするとそれは虚飾のセリフであって、全く人間の本質について理解できていないということになる。
人間はそもそも生きる意味や人生の目標、存在理由など無く生まれてくる。
唯一人間は只そこにいる存在であり、本質は無い。
自分の生きている意味など、死んでみないとわからない。人間はその行動によってのみ意味づけが行われる。
それが、何の影響を与え結果どうなったのかは、死んでからはじめてわかるのだ。
生きている間にあれこれ考えても仕方がない事である。

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