ドストエフスキーの「白痴」を読了した。長かった。。。
善の主人公。悪のロゴージン。様々な場面で二人の対比が描かれる。
また、その二人をとりまく他の登場人物のキャラクターのどぎつさ。
長い小説で途中で色んな本に寄り道したがやっと読了した。
色々心に残った点があるがドストエフスキーがロシア人を語った一文を挙げておく。
実際のところ、金もあり、家柄もよく、要望も優れ、教育もあり、馬鹿でもなく、おまけに好人物でさえあり、しかもこれという才もなく、どこといって変わったところもなく、いや変人といったところさえなく、自分の思想さえ持たず、まったく世間並みの人間であることぐらい、いまいましいことはないだろう。財産はある。ロスチャイルドほどではない。家柄は立派なものであるが、いまだかつて世に知られたことはない。風貌は優れているが、きわめて表情に乏しい。教育はちゃんとしていながら、とくに専門がない。分別は持っているが、自分自身の思想は持っていない。情はあるが、寛大さに欠けている。何から何までこんな風である。
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