ドストエフスキーは、ロシア人に関して、白痴でこのように書いた。
実際のところ、金もあり、家柄もよく、容貌も優れ、教育もあり、馬鹿でもなく、おまけに好人物でさえあり、しかもこれという才も無く、
どこといって変わったところも無く、いや変人といったところさえなく、自分の思想さえ持たず、まったく「世間並み」の人間である事ぐらい、
いまいましい事はないだろう。
財産はある。しかしロスチャイルドほどではない。家柄は立派なものであるが、いまだかつて世に知られたことはない。
風貌は優れているがきわめて表情に乏しい。教育はちゃんとしていながら、特に専門がない。分別は持っているが、自分自身の思想は持っていない。
情はあるが、寛大さに欠ける。何から何までこんなふうである。
だいたい皆同じなのである。
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